年収600万円なのに、借金をしてでも毎年1千万円使い込む異常者【一般社団法人フリードデスク】

昔、室町幕府はとても貧乏だったそうです。


お金に困った幕府は、
土倉(金貸し業者)に課税する事で
財政を維持していました。


収入の大部分を土倉からの税金に依存していたのです。


だから、政府は土倉にはアマアマでした。


たとえば、土倉が庶民に対して
超高金利でお金を貸し付けても、
見てみないふりをしたり。

当然、庶民は怒ります。

一揆を起こし、たびたび社会が混乱しました。



政府は庶民の怒りを抑えるために、
仕方なく「徳政令」で借金を
チャラにしたりしたのです。


すると、今度は土倉が大打撃を受けます。


土倉の収入が減れば、政府の税収が減るので、
幕府の財政はさらに悪化していきました。




・・・とまぁ、




今考えると当時の政府のポートフォリオは、
収入の大部分を土倉からの税収に依存する
かなり不安定なものだったって事です。


ちなみに、
今の政府のポートフォリオはもっと最悪です。

既に税収だけでは回らなくなり、
『あるもの』に依存しています。


『公債』です。



税金は必要な予算の6割程度しか集まらず、
約3分の1を借金で賄っている状態です。


どこから借金しているのか。


もちろん我々国民です。


私達が政府にお金を貸してあげています。


相手が「国」なのでイメージが
湧きにくいかもしれませんが、
財政を「一つの家計」に換算して考えると、
いかにお人好しな事をしているかわかります。


年収が600万円くらいしかないのに、
借金をしてでも毎年1千万円くらい使い込む
『金融リテラシーの低い異常者』にお金を
貸しているのと同じなんですから。




でも、私たちってお金を貸している自覚がないですよね?




なぜ自覚がないかというと、
正確には私達がお金を預けている
銀行が貸しているからです。


知っている方も多いと思いますが、
私たちの通帳に記載されている金額の総額と、
実際に銀行の金庫に存在する
現金の総額は一致しません。

日本人全員が、


「せーの!」


で現金を引き出そうとすれば、
手のひらの上に乗せられるのは
ごく一部の人間だけです。

私達が普段現金を引きだすことができるのは、
それ以上に引き出さないで放置している人が
いっぱいいるからなんですね。



これが『信用創造』です。




当然、銀行もビジネスですから
私たちから預かったお金を
色んなところに貸しています。


その投資先の一つが「公債」というわけです。


つまり、信用創造がなければ、日本の財政は成立しません。

果たしてこんな綱渡りな自転車操業が
いつまで続くでしょうか。

「最終的なしわ寄せ」はどこに行くのでしょうか。

十中八九、私は国民に行くと思っています。


そうは言っても、
あからさまにしわ寄せが行けば、
どんなに大人しい日本人でも
猛反発すると思います。

だから、気づかないように、
じわじわしわ寄せが行くんだろうな、
というのが私の見解です。

結局、国はどこまで行っても、
あらゆる方法を駆使して、節約したり、
お金をかき集めなければいけないわけですから。


気づいたら年金の受給開始年齢は上がっていて、
気づいたら消費税は10%を超えていて、
気づいたらメインバンクが倒産して現金資産を失っている。


そして、気づいたら物価が上がりまくって、
生活がめちゃくちゃ苦しくなっている。


こんな風に、クイズ番組でたまに出てくる、
1枚の画像のどこかがゆーっくり変わっていくように、
気づいた時には全てが変わっている。


そんな恐ろしい未来がすぐそこまで
来ている気がしてなりません。

そう考えると、
信用創造によって「所有している」と
錯覚させられることもない現物資産の不動産は、
やっぱりかたいですよね。


ついつい盲信しがちな「お金」というものが、
実は非常に不安定で動的な資産であるという事が
伝わっていると嬉しいです。


「お金」に依存することなく、
「資産」に目を向けていきましょう。



ではまた。


PS:
最近、「ドラゴンボール超」を見たのですが、
戦闘力のインフレが起きていて笑いました。

主人公クラスが強くなりすぎて、
悟空が神様よりも強くなってたり、
もう何がなんだかわかりません(笑)


名前:大石 武
一般社団法人フリードデスク代表理事。
山口県下関市出身。食品業界、医療業界での会社員経験を経て、2015年に独立。その後、個人投資家としての活動を開始し、2016年には投資家コミュニティを設立。金融に強い日本人を輩出する為、日々個人投資家のサポートに励んでいる。

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