みんなで貧しくなろう、だと?【一般社団法人フリードデスク】

先月、中日新聞で東大名誉教授である女性が、



「平等に貧しくなろう」



と発言した事が波紋を呼びました。


簡単に彼女が言った事をまとめると、

・日本の人口は増えない
・日本は排他主義で移民は無理なのであきらめよう
・日本は人口減少と衰退を受け入れるべきだ
・だからみんな平等に貧しくなろう

という内容でした。


まず一番に言いたいのですが、
私は貧しくなるのはごめんです。

別に贅沢がしたいとは思わないですが、
最低限家族や友人と楽しく暮らせるだけの
収入は欲しい、というのが本音です。


とはいえ、人口が増えないのは仕方ないでしょう。

”人口のボーナス期”は1度しかないのですから。

「人口ボーナス期」というのは、
ハーバード大学の偉い人が提唱した考え方で、
一つの国の働き盛りの人口が多くなって、
高齢者の少ない時期の事ですね。



簡単に言えば、「国が成長するために盛り上がる時期」です。



注目すべきは、


人口ボーナス期は一度しかない、


という点です。

彼曰く、ボーナス期は終わると
同じ国には二度とやってきません。


医療制度などが整い、高齢者が増えて、社会保障費が増大するので、
若い人たちが頑張って働いてもGDPが横ばいになるからです。

ちなみに日本のボーナス期は90年代半ばに終わりました。

人口を増やすのは確かに難しいでしょう。

でも、移民は本当に無理でしょうか?
(受け入れる前提の話で)


私は決して無理ではないと思います。

というのも、ここ数年外国人との共生を
目的とした動きが各地で見られていて、
着実に成果として現れているからです。


例えば、神奈川県の川崎市。
2010年には外国人サポート施設
「多文化共生センターかわさき」が完成し、
地元では「多文化デパート」として親しまれています。

フィリピン食材ショップ、
情報交換や憩いの場であるカフェ、
翻訳・通訳のボランティアグループ、
外国人の子供用の学習サポート教室など、
外国人の受け入れ体制を強化しています。


あと、北の大地も頑張ってます。

北海道ではニセコや倶知安が
「多文化共生」の地として有名です。

ニセコにある「ザ・ニセコ・カンパニー」という企業は、
ニセコ地区から札幌などへの通訳付きバスツアー、
同時に携帯電話を使った通訳サービスなど、
積極的に外国人のケアに力を入れています。

そういった努力の甲斐もあって
ここ10年でニセコの外国人登録者数は
約10倍になるまで激増しているのです。


人口が10年で10倍って、結構異常ですよ(笑)


こういった事例からも、
「移民は無理」とは安易に
決めつけられないと私は思います。


もっと言うと、
「人口減少=貧困増加」というのは
ちょっと気が早いのではないでしょうか。

日本人の収入が全て国内で起きる
経済活動によってのみ成り立っているなら、
そう言える面もあるかもしれません。

じゃあ、、、

個人が国境を越えて、
利益を得られるとしたらどうですか?

・フィリピンのダバオ市のように急成長していて、
今後価格が高騰するとわかっている
地域の土地を先に買っておいたり。


・世界の相場を相手に戦うトレーダーさんに
お金を預けて国境の外から利益を得たり。


・海外の富裕層の人たちが好みそうな
美術品や骨董品やプレミアモノを
買ってもらって差益で儲けたり。


そうやって国境の外から利益を獲得するのは、
それほど難しい話ではありません。

ある程度のまとまった資金と、
確かなコネクションさえあれば
決して不可能ではないと思います。


「誰もが投資用の資金を用意できるわけではない」


という意見もあるかもしれません。

その場合は金融二種の免許を持ってる人でもつかまえて、
ファンドでも立ちあげて数で勝負すればいいのです。


一番重要なのは、「コネクション」です。


「情報力」と言い換えてもいいかもしれません。

とどのつまり、、、

「人口は増えないし、移民も無理だから、
だからみんな平等に貧しくなりましょうね。」

なんて情報はハッキリ言って無視していいです。


「”俺たち日本人”はこのままこの国にいて大丈夫なのか?」


ではなく、


「”俺”はこのままで大丈夫なのか?」


って事を考えるべきかと思います。


「国」じゃなく、「個人」レベルで。


国が運用している年金でさえ、
4割が外国の株式や国債によって
運用されているんです。


「国境の外で運用して利益だした方がいいよ」


って教えてくれているようなものですよね。

だから、みんなで貧しくなる必要なんかありません。

人口が増えまいが、移民が無理だろうが、
打開策はいくらでもあります。


そんな事を伝えたかったのです。


名前:大石 武
一般社団法人フリードデスク代表理事。
山口県下関市出身。食品業界、医療業界での会社員経験を経て、2015年に独立。その後、個人投資家としての活動を開始し、2016年には投資家コミュニティを設立。金融に強い日本人を輩出する為、日々個人投資家のサポートに励んでいる。

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