「初心者は投資信託から」という嘘【一般社団法人フリードデスク】


「初心者は投資信託から始めるべき」

これは間違った認識です。


むしろ投資信託こそ、

「投資をする側に
 高い金融リテラシーが求められる」


と私は思っています。

なぜなら日本の投資信託の
商品設計そのものが、
利益を出しにくくなっているからです。


なぜか?

その理由の一つに、
投資信託を買ったときに、
「マイナススタート」
で始まることが挙げられます。


投資信託を始めるとなると、
最初に「販売手数料」が必要になりますよね。

そして相場に関係なく、
信託報酬もかかってきます。

つまり、投資信託を始める
と決意した時点でマイナスから
運用することになるわけです。


そして、その後、
相場が上がればいいですが、
仮に下がった際には、

「下落分のマイナス
 +
 販売手数料のマイナス
 +
 信託報酬のマイナス」


という3つのマイナス要素が
絡み合ってしまいます。

この仕組みが、日本の投資信託では
利益が出しにくくなっている
理由の一つだと言えます。


嫌味な言い方かもしれませんが、
投資信託は手数料という名の、
金融機関への奉仕があるために
利益を重ねることが難しい状態にあるのです。


実際、金融庁の森長官もカンファレンスで、

「今の金融機関は顧客本位と口で言うだけで
 具体的行動につなげられていない」

と発表しています。

これは、一言で言うと、
「金融機関は自社の利益を優先している」
と発言しているようなものです。


金融庁長官の言葉なだけに、
金融機関の実情が如何なものか、
感じとれるのではないでしょうか?


ちなみに今日、
日本には6000弱と言われるほど、
投資信託の種類が存在しています。

この中から、利益が出やすい案件を
精査して見つけ出すことは初心者にとって
とても困難なことですよね。

むしろ投資信託こそ、
「精査する力」が求められるので
スキルや知識が必要になってきます。


金融機関は、
消費者に投資信託を売りたいので
「初心者は投資信託から」と言いますが、

それはあくまでも、
「ポジショントーク」であることを
私たちは忘れてはいけません。

金融機関の人たちは、
自社で販売している投資信託を
一人でも多くの人に買ってほしいわけなので、
営業トークをしていきます。


決して、すべての人が、
「私たち消費者の身になって言ってくれている」
訳ではないということを、
覚えておかないといけません。



それでは!

名前:大石 武
一般社団法人フリードデスク代表理事。
山口県下関市出身。食品業界、医療業界での会社員経験を経て、2015年に独立。その後、個人投資家としての活動を開始し、2016年には投資家コミュニティを設立。金融に強い日本人を輩出する為、日々個人投資家のサポートに励んでいる。

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