てるみくらぶ倒産の原因は、ギャンブル【一般社団法人フリードデスク】

「てるみくらぶの倒産」




今とても話題になってますよね。

中小企業の倒産はよくある話ですが、
なぜ、この話題は引っ張りダコなのでしょうか?


一番の理由はなんと言っても、
負債総額が「150億円超え」という
インパクトの大きさではないでしょうか。


ちなみに既に購入してしまったチケットは、
全て無効になってしまうようです。

私の友人は今回の事件によって、
50万円ほどやられたと言っていました。

身近に被害者がいると、
なおさら注目してしまいます。


てるみくらぶが破産に陥った要因として、
複数の項目があげられているようですが、
私が見たところ、



「投資の失敗」



が、一番大きなファクターだと感じました。



ご存知の方もいるかと思いますが、
現在の旅行業界は収益性がとても低く、
他の業種と比較すると圧倒的に
利益率が低い業種です。

インバウンド効果もあり、
旅行客はたくさんいますし、
年々増加傾向にありますので、
成長産業とさえ言われています。



しかしながら、収益性がとても低い・・・



たとえば、よく飲食店の収益性は低い
と言われたりしますが

それでも15%あります。
一方で、旅行業はというと、
たった「0.8%程度」しかありません。



いや、低すぎだろ!



と、誰もが思うと思います。


でもこれ、最初からこんなに
利益率が低かったわけではないんです。


低くなったのは、インターネットのせいです。


アナログからデジタルに代われば、
その分人件費がカットできるので、
企業は低価格でも勝負できるようになります。


すると、当然ですが価格競争に陥ります。


販売手数料の引き下げがどんどん下がり、
結果、今のような薄利多売のビジネスに
なってしまったのです。


口コミや紹介で広まるような
サービスではありませんから、
事業を回していく為には
広告運用が欠かせません。


で、ちょっと調べてみてわかったのですが、
てるみくらぶはこの広告運用で
失敗してしまったようです。



「投資回収率すら見ていなかったのでは?」



という指摘もあるほどです。


つまり、
「この広告媒体はどれくらいの反応見込みがあり、
どれくらいの期間でいくら回収できるのか?」

という超基本的な作業を怠っていたのです。


これ、投資の世界では絶対にありえない話です。


たとえば、新規で投資信託を買うとしましょう。


この時、注目した案件はどの程度の利回りで、
どれくらいの期間で元本を回収できるのか?
といったデューデリを先に
行うことになると思います。

もちろん、投資の世界では
下調べ通りに動くわけではありませんが、
情報の数だけある程度の動きや
変化は読めるはずです。


このように、十分な下調べをした上で、
投資した額に対してどれくらいの利益が
上がったのか、毎回チェックします。

そうやってトライアンドエラーを
繰り返す事で回収率をあげていくのです。


そういう意味では、広告の運用も
投資も仕組みは似ています。

薄利多売のビジネスなのに、
回収率をきちんと把握する事なく、
ひたすら広告を打ちまくっていたら、
それは破産もするだろって話です。


やってる事、ギャンブルと同じですから。


お金を扱う以上、
ビジネスだろうが投資だろうが、

リスクを考慮して計画的にやらないと
痛い目に合うというわかりやすい例ですね。


ギャンブル、ダメ、絶対。

名前:大石 武
一般社団法人フリードデスク代表理事。
山口県下関市出身。食品業界、医療業界での会社員経験を経て、2015年に独立。その後、個人投資家としての活動を開始し、2016年には投資家コミュニティを設立。金融に強い日本人を輩出する為、日々個人投資家のサポートに励んでいる。

ページの先頭へ